ヨウ素と天然ガスって?

ヨウ素って何?

ヨウ素は「元素」のひとつで、これ以上分解できない、様々なモノを構成する最も基本的な物質です。
周期表では第5周期、第17族、原子番号53の元素で、フッ素・塩素・臭素といったハロゲン族の一員になります。

常温では黒紫色の金属光沢がある結晶ですが、昇華性を有するため、熱をかけると液体を介さずに気体になります。

自然界では、コンブやワカメといった海藻に豊富に含まれています。

何に使われているの?

ヨウ素は医薬品、農薬、工業原料など多岐にわたる分野で利用されています。
身近な例だと、茶色いうがい薬や、テレビ・スマホのディスプレイに使われています。

ヨウ素は、私たちの体にとっても重要な栄養素です。
特に甲状腺ホルモンという体の調子を整えるホルモンを作るために必要です。これが不足すると体がだるくなったり首が腫れる病気になることがあります。

どこで生産されるの?

なんと日本は世界的に有名なヨウ素の産地で、その世界シェアは約30%(世界第2位)を占めています。
しかも日本国内の中では千葉県がその生産量の約80%を占めており、世界的に見ても一部の地域でしか産出しない貴重な資源なのです。

なぜ千葉県でたくさんヨウ素がとれるの?

ヨウ素は海藻に多く含まれています。太古の海藻が堆積した地層が、プレートテクトニクスの流れに乗り、南関東の地下にヨウ素を運びました。またそれと同時に、有機成分が分解を受けて発生したメタンも運びました。

その結果、ヨウ素とメタンが豊富に含まれる「南関東ガス田」という地層が出来上がりました。ヨウ素とメタンは地下水の中に溶け込んでおり、日宝化学はこの地下水(かん水)を採取することでヨウ素を生産しています。千葉県でヨウ素がたくさんとれるのは、この地下水(かん水)が工業的に採取しやすい地域だからです。
現在の生産量から計算すると、南関東ガス田には未だ数百年分のヨウ素が埋蔵されているといわれています(諸説あり)。

天然ガスって何?

石油や石炭と同じ「化石燃料」の仲間で、昔の動植物が長い時間をかけて分解されてできました。
主成分はメタン(CH₄) という炭素と水素からなる分子で、無色・無臭です。

何に使われているの?

メタンは都市ガスの主成分で、燃料として使われています。燃やすと二酸化炭素(CO₂)は出ますが、石炭や石油より少ないので比較的クリーンな燃料と言われています。
特に南関東ガス田から採取される天然ガスは純度が99%と非常に高く、燃やした時に発生する硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)がとても少ないのが特徴です。

シアン化水素って何?

ヨウ素とともに採取される天然ガスですが、日宝化学ではこれをシアン化水素の原料として使用しています。

アンドリュッソー法(Andrussow Reaction)

シアン化水素は沸点26℃と常温でも沸騰するほど沸点の低い、非常に揮発性の高い無色透明の液体です。一般的な真核生物にとっては致死性の猛毒です。よく「アーモンド臭」と例えられますが、実はアーモンドの花の香りのことを指しており、ナッツのような香ばしい香りではありません。

アーモンドの花

しかしそのような危険な物質でも、工業原料としては非常に重要です。世界で年間280万トンも生産されており、ナイロンやアクリル樹脂の原料、またメッキ用途などで使用されています。

日宝化学はこんな会社

日宝化学は南関東ガス田から得られるヨウ素天然ガスを資源としてヨウ素化合物やシアン化合物を製造しています。
そしてそれらは医薬品・農薬・電子材料・機能性樹脂といった多岐にわたる分野の原料として提供されています。